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今、小さなお子様から若者を中心に急増しているのが「急性内斜視」。
「急性内斜視」とは、正面を見たときに片目、あるいは両目の黒目が
内側に寄ったままになる状態で、一度発症すると自然には治りにくい病気です。
昔からある病気ですが、ここ数年で急増しているそうです。特に10代の
急性内斜視の患者が3年前と比べて3倍に増えているといいます。
ビジョンサロンでもお子様の目の相談が、かなり増えてきています。
原因は??
急性内斜視の原因はハッキリとはわかっていませんが、関係が指摘されているのが
やはり、スマートフォンの長時間使用です。
レストランや待ち時間など、じっとしていられない子をおとなしくさせるため、
親がスマートフォンやタブレットで動画を見せることはよく見かけるようになりました。
子どもの目が寄り目のままになっていることに親が気付き、慌てて眼科を受診させる
ケースが急増しているようです。
子どもの急性内斜視について研究している国立成育医療研究センターは、
「スマホなどの過剰使用により、斜視の発症や悪化を招く可能性がある。」との論文を発表しました。
症状は?
主な症状は、片目か両目が内側に寄っている状態。あるいは、物が二重に見える「複視」です。
急性内斜視に特有で、生まれながらの内斜視では見られません。
斜視は、眼球を動かす働きを持つ筋肉と密接な関係があり、
日ごろ物を見るときは、眼球を内側に向ける「内直筋」と
外側に向ける「外直筋」などの筋肉が、左右の目の視線を合わせています。
近くを見るとき、内直筋が縮んで眼球を内側に寄せ、「寄り目」の状態で焦点を合わせようとしますが、
急性内斜視になると、内直筋が縮んだままとなり、遠くを見ても寄り目が戻らなくなってしまいます。
すると両目の視線が一致しなくなり、物が二重に見えるのです。
近くを見ないようにすれば改善される場合もあれば、手術を必要とする場合もあります。
10歳以下は要注意!
子どもがスマホを見るときの目とスマホの距離は約20cmです。
目は近い距離のものを見る時、黒目が内側に寄る「輻輳(ふくそう)」という動きをしています。
長時間に渡るスマホの利用は、その状態を固定してしまう恐れがあり、急性内斜視との関係が
指摘されているのです。若いうちは近いところを長時間見ていることに疲れを感じにくく、
スマホで遊んでいるうちに、あっという間に1、2時間と長時間になってしまいます。
子どもならではの疲れを感じないで輻輳運動を長時間できるということが、
急性内斜視の発症につながると言われています。
特に注意が必要なのは、目の発達が十分でない10歳以下の子どもです。
スマホを見せないことが一番ですが、スマホを見せるときは目から30cmは離し、長時間見せることはやめましょう。
急性内斜視や弱視、他の障害を作ってしまう心配がある事から、
周りの大人がきちんとした知識を持つことが「子どもの目を守る」ことにつながります。